おかにわ通信
ウサギの臼歯過長&膿瘍
先日ウサギの臼歯過長および膿瘍に対する手術を行いました。
しばらく他院で治療していたようですが、改善がなく、当院を受診されました。
血液検査やX線検査でその他の疾患の除外、麻酔の安全性が確認できたため、手術を決断しました。
臼歯の過長の影響で舌には裂傷が認められ、頬に出来た膿瘍によって口腔内が圧迫されていました。
臼歯の過長は処置の必要性を適切に判断し、早期に臼歯の切削・研磨処置を実施することが大切です。
膿瘍の治療は理想としては膿瘍を丸ごと切除するのですが、経過も長かったためか、複数の膿瘍が筋肉間で形成されていました。
完全切除には広範囲の筋肉切除を伴うため、各膿瘍層の切開・排膿後に徹底的に消毒、腐敗組織のレーザーによる蒸散を行いました。
ウサギの膿瘍は根本的には歯根や顎の骨の腐敗に由来することが多く、慢性症例では再発も多いので、早期の治療が大切です。